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2010年06月21日

「森が消えれば海も死ぬ」第2版

1993年、講談社ブルーバックスから「森がければ海も死ぬ」という本が出版された(第1版)。著者は当時北大水産学部の先生だった松永勝彦さん。この本は、陸上の森林、特に落ち葉による腐葉土がたまる広葉樹の多い森と、そこから流れでる水と、海の海藻との関係を科学的に解き明かした本として大変な注目を浴びた。
翌年にはその松永理論の実証編ともいえる宮城県のカキ養殖漁師の取り組みが、カキ養殖漁師である畠山重篤さんによってまとめられ、「森は海の恋人」という本になって出版された。
いまでこそ、森と海とが密接につながっているということは半ば常識化しているが、それらを科学的に解明し、一定の結論(森林の腐葉土を通じ森林から供給されるフルボ酸鉄の存在)を導かれた松永先生の存在は大変大きなものがある。そして漁師による植樹運動を全国に広げていった畠山さんの、理論に裏打ちされた行動力も称賛すべきものだ。

しかし「出る杭は打たれる」ものなのか、画期的な松永理論は、さまざまな攻撃にさらされた。特に森林について研究している学者から出された、一部のグラフのデータが適切でない、そうした不適切なデータを根拠とする松永理論は信じるにあたいしないといった反論は、身内の足の引っ張り合い的な様相さえあった。

その「森がければ海も死ぬ(第1版)」発行から17年たった本年2月20日、待望の改訂版「森がければ海も死ぬ(第2版)」が同じ講談社ブルーバックから出版された。
この本だ。

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北大を辞職され※郷里の四日市大学の教授となっておられる松永先生が「その後多くの研究成果が得られていることから改訂する意味があると判断した」ゆえの第2版。
第1版からこれまでは称賛と批判との両方にさらされた17年間だったと思うが、最終的には松永先生の「勝ち」だったといえるのではないだろうか。この第2版を読んでそう思った。この第2版を読むと、松永先生の理論が第1版よりも補強されていることが分かるのだ。
※ちなみに松永先生は北大からは名誉教授を贈られていらっしゃいます

私自身も、第1版のときはこの本(第版)についての賛否両方を聞いてしまったため、中立的にならざるを得ないというか、肩入れできなかった。

しかし、この第2版からは違う。
この本をいろんな人に読んでもらいたい。
そして海藻が育つ海をもつ日本に生まれたことの幸運を喜びながら、
二酸化炭素削減と動物性タンパクの確保という二律背反的命題の解決に進もうという気持ちを分かち合いたい。

投稿者 advcom : 2010年06月21日 19:59

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